用語集

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か行

高調波フィルタ

主にインバータなどの整流回路から発生する高調波を抑制するフィルタで、ニシテイではPHF形(Power Harmonics Filter)として設計、製造、販売を行っています。
フィルタ構成は、受動素子であるリアクトル、コンデンサのみを使用した簡単な機構のパッシブフィルタです。

高調波

 高調波を発生させる代表機器インバータを例に説明します。
 インバータ(図1)は交流電源を一旦整流し、再度疑似交流(PWM制御)に変換する装置で、高調波は、この整流する部分より発生します。内部は通常汎用型は6つのダイオードで構成され、これらが高速でオン・オフする事でスイッチングノイズが発生し、このノイズが高調波と呼ばれています。
 この場合、6n±1(5,7,11,13,17,19,23,25・・・・)次数の高調波を発生させ、未対策では、第5次高調波が基本波の65%、第7次が41%、第11次が8.5%、第13次が7.7%、第17次が4.3%、第19次が3.1%、第23次が2.6%、第25次が1.8%含み、これらを二乗平均した約78%が発生すると規定されています。

さ行

軸電圧

軸電圧とは、電動機の軸受け(ベアリング)の内輪と外輪の電位差により放電が起きる現象を指します。
その電位差は、主に下記により発生します。
 ・インバータなどの高速スイッチングによるdv/dt
 ・システム機器の誤差による三相アンバランス
 ・電動機の同心円アンバランスによる中性点電位不平衡(コモンモード電圧)

サージ電圧

インバータから出力した電圧が電動機端子に到達した時、ケーブルと電動機のインピーダンスの関係から正の全反射を起こし極性と電圧値が同一の反射サージとしてインバータ端子に向います。
このため、電動機端子には直流母線電圧の2倍が発生する事になります。
(直流母線間(Vdc)電圧は、最大Vdc=Vac×√2となる)
従って、供給電圧が440Vの時、約1200Vのサージ電圧が発生する事になります。
また、このサージ電圧はケーブルの浮遊静電容量やリアクタンス、導体抵抗により増減します。

正弦波フィルタ

インバータからPWM制御により出力される電圧波形に含まれるキャリア周波数成分、サージ電圧及びdv/dtを抑制し、PWM制御波形を正弦波にするフィルタです。
ニシテイではSWF形(Sine Wave Filter)として設計、製作、販売を行っています。
フィルタ構成は、受動素子であるリアクトル、コンデンサのみを使用した簡単な機構のパッシブフィルタです。

A〜Z

dv/dt

dv/dtとは、式の通り電圧変動の差を時間変化の差で割ったものです。
例えば100Vの電圧を1秒で開閉した場合100÷1=100となりますが、0.1秒で開閉した場合100÷0.1=1000となりdv/dtが大きくなったことが分かります。
特にインバータの出現により高速スイッチング化になった事で、この急峻な電圧の立ち上がりは、電気回路の定数によりリンギングを含むことになり、dv/dtとして現れます。